2014-09-13

山形 丸池様と牛渡川

青く輝く神秘的な池というと北海道なら神の子池、青森なら十二湖の青池となると思いますが、今回は山形は鳥海山の麓にある丸池様を紹介したいと思います。「様」が付くのは池自体が神社の御神体になっているからです。

場所は、吹浦駅から歩いて行けないことはないくらいの所。鮭漁業生産組合の箕輪ふ化場に車を止めてすぐ(看板がある)。ふ化場の位置が分かりにくいですが、私はナビ地図画面の牛渡川の位置からこの辺かなと車を進めて見つけました。それまでに2度もバイパスに入り込んで抜けられなくなりぐるぐる回りこむハメになりました。なお、ふ化場はオンシーズンは売店もありますし、オフシーズンでも駐車場は開放されていて一般利用に問題ありません。







そして、次は牛渡川沿いの遊歩道に沿って川上の清流風景を撮ってみたい。時間もあるしとゆったり行きました。



すると、いいトコまで来ているのにカメラがバッテリー切れ。初日にフラッシュを使い過ぎたんですね。普通の使い方なら2~3日は持つからと油断して 換えは車のリュックの中。仕方なくまた歩いて車まで戻ってバッテリー交換。ここで欲を張らずに丸池様だけで良しとして引き揚げていれば何の問題もなかった んですけどね。また行ってしまった。
この写真を撮った直後だったと思います。撮ろうと思ってファインダーを覗いていたら、茶色い波が見えました。ファッ? すぐに事態を悟りました。鉄砲水。上流で激しい雨が続いて倒木などで自然のダムができて水がたまり、それが決壊してたまった水が押し寄せてきたもの。
しかしここまでパラつく程度の雨にしかあわなかったし、ふ化場のPDFパンフレットには「全長3kmの小さな川」とあります。海の近くで裏には田んぼの広がる平野ですから、周辺状況を分かっているからこその想定外でした。

すぐに下流の方へ走り出しました。気がかりだったのは途中に小さい川が合流してくる地点。1mちょっと降りてからまたぐように小川を超えてまた上がる地形なんですが、そこが増水するとマズイ事になる。
予想通りの状態。しかしそれでも、足が水没して泥だらけになるのを承知するならその時は難なく行けたんです。しかしもっとキレイに行けないかと思ってしまった。

案内図には、上流の方で田んぼに抜けるようにルートがあったんですね。上流の方へ向かってみたら、川が溢れてきていて遊歩道がすでに寸断。また走って小川の合流地点に戻りました。すっかり水没していて流れはほとんどないものの、落ちれば胸くらいまでは水没するでしょう。横に移動して藪を突破すれば?と思うでしょうが、足元が見えない薮の中で湿地帯に落ちてハマる危険を考えました。

川を少し見つめてしまった。時とともに確実に水量が増していて衰える気配なし。周りを見渡す。流れ込む小川の先に、直径15cmくらいの倒木が橋になっていて、バランスを崩さずに2歩ほど進んで倒れこむように対岸の木に捕まれれば脱出できる。

息を吐いて力を抜き、静かに集中して足を進める。脱出成功。それで終わりかと思ったら、その先も川が溢れて遊歩道が寸断してました。今度は足元を確かめながら横の薮に入り込んでいき、田んぼとの境界の堤防へと。堤防手前に排水溝があり、水が無かったので助かりましたが、そこが水没してたら詰んでいた。

これはその堤防から。黄色いラインが本来の川のライン。遊歩道など完全に水没して跡形もなし。

川から溢れた水が用水路に流れ込んでいたものの、それもいつまで持つか分からなかったので、走って駐車場まで戻って緊急発進。その後は激しい雨が断続しました。
この10分前には数人の観光客がいました。何度振り返ってみても、あの状況では確実に全員が無事に済んだとは思えない。こういう時は独りで良かったと思う。彼女でも連れていたらどうなっていたか。自分を犠牲にするだけで済むのなら安いもんだけどね。

『銀河英雄伝説』 ワルター・フォン・シェーンコップ
「俺は150歳まで生きる予定なんだ。あと115年ある。こんな場所で死にはせんよ!」
と言ってみたいが、実際はなかなか。

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