2013-10-16

比羅夫のとある水利施設

以前よりJRの車窓から気になる廃物件が見えてました。大曲トンネルの倶知安側出口、尻別川の岸にそれはある。車窓と同じ地点で撮るには線路沿いをしばらく行く必要があり、いくら運行本数が多くないとはいっても列車との遭遇は避けられず、通報される恐れがある。他のアプローチはないものか。それにまともな施設ならそこに至る道があったはず。
「とある水利施設」というのは別に隠しているわけではなく、調べてもよく分からなかったというだけです。かなり古いとは思う。

で、今年の春先に行ってみたわけです。 実は静狩鉱山の地形図を入手した帰りの寄り道。
比羅夫駅で降り、倶知安側へ線路沿いの砂利道を行くと、トンネル手前で道は尽きます。道が終わる少し前の斜面に取り付き、登っていくと廃道があるんですね。結果から先に言うと、比羅夫駅正面から始まってました。
建物の左手からジグザグとツヅラで上がる道の跡があります。しかしちょっと目立ちますし、途中は笹や倒木などかなり荒れているんで、廃道を行くにしても倶知安寄りから斜面に突入した方が時間短縮になるかなと。

そして廃道を進むと広場に出ます。もっとも夏場は背丈ほどの藪になるんで広場には見えないでしょうが。その広場入り口の左側に遺構があります。

降りてみます。他にも深そうな穴があるんで、季節を問わず要注意。積雪期に踏み抜くと致命的かもしれません。

と、この時はここで日没時間。ライトもなかったので大急ぎで駅まで戻りましたんで、広場の奥など何があるのかいまだ分かっていません。

それで今回、月曜に仕事を休みにして行ってきました。朝から出られず午後2時前着。次の列車までの2時間でケリをつけたいが・・。
イタドリは枯れてだいぶマシになったものの、背丈ほどの笹はしっかり健在。静狩の進入路を探った時に藪に入らなかったのは、熊と遭遇した時に最悪、藪の中での戦闘を強いられるわけでそれだけは避けたかったからだけども、ここは地理的にいないと考えていいんで迷わず突入。

笹の中を潜り泳ぐように斜面を登り、廃道へ到達。しかしそこも似たようなもの。倒木も面倒。で、30分以上藪こぎを続け、もう少しで”広場”のはずだったけれども、藪が猛烈なので方向も分からなくなりそうだし、足元もよく見えないし、これじゃ撮っても草木しか写らないんであきらめました。

何も収穫なしで撤退か・・と思って上を見ると送電線の塔が。となると作業用の通路があるはず。さらに藪こぎで登ると、刈り払いされた徒歩道に出ました。これをたどるとどこかで尻別川にぶつかるはず。
行ってみると尻別川の岸に降りられ、川原を進んでようやく当初の目標であった物件の背後に出ました。

もう少しだけ進める。これ以上は淵がね。奥にある城のような遺構に行きたいと思いません?

で、右を見ると、通路跡があるんだけど崩落して危険な状態。実は通販で買った登山靴が届いて1時間後に実戦投入したわけだけど(それを待ってて出遅れた)、乾いた岩でも結構滑るんですわ。安全に行くには一度上に上がってから向こう側に降りなきゃならない。いつもの安靴なら行けたかも。

 これは左側。やはり向こう側から見てみたいけど、川はちょっと深くて渡れない。

そんなわけで、残念だけど引き返します。この地点に下りてくる廃道があったけれども同様の藪で、例の広場から伸びているものなら送電線のラインと交わるはずだけど全く気づかなかったので、まだまだ探る余地はあります。

これは送電線のライン上、川原に降りた地点から。そういや紅葉が始まってんだよなぁと。

帰りは送電線の作業道をそのまま進んでみました。すると畑に出たんでその端を回って道に出ましたが、作業道をそのまま行った方が駅に近かった。川に出るだけなら割と楽に行けるわけか。

続きは積雪期ということになりそうです。これは春先に行った時の比羅夫駅。

ちなみに今回、放置していたデスクトップパソコンのパーツを交換してWin7を入れて、写真ソフトをCS6+LightRoom5 にしましたんで写真の明るさや色調が今までと違うかと。暗く撮れた写真は今まではノイズだらけだったものがキレイに現像できたのは驚きました。慣れるまで少し時間がかかりそうです。

(追記)
カシミール3Dを使って1970年代の航空写真を出してみました。現在と様相は大して変わっていませんので、これで分かりやすくなるかと思います。青線の廃道ラインは写真からの推定です。


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