赤井川への外輪山越えの峠は現在では冷水峠が知られていますが、その昔には區劃(区画)峠というのがありました。赤井川村史でも詳細に調べれば記載があるかもしれませんが、ネット検索では出てきません。
旧版地形図「仁木」 T6測量 S24資料修正 S24-4-30発行 より。
こちらは、T6測量 S47修正 S50-2-28発行 のもの。
前回の補足編の記事で、古道の赤いラインに取り付くまでの経緯を書きました。大黒沢林道の分岐林道から大黒川の隣の沢に出て、そこから古道に取り付いた所から始めます。
沢から古道に上がった所を振り返る。右の斜面がカクンと落ちてて、人為的に削られた道だと分かります。
そこから少し進んだ地点。木があって道が判別しにくいですが、雪の白と背景の山の黒との境目の線形を考えれば、斜面が削られて道の平場があるのが分かります。
そして、道が尾根を越えて大黒川の方へ渡る所で、谷底の方を見ても他に道のラインは見えない。そうすると後は尾根の上しかありません。入ってみると、道の空間が開いています。
尾根は写真左端で、その脇に明らかに道が刻まれています。
そして連続切り返しエリア。左から登ってきてここで反転し、右を登っていく。
これも右から登ってきて左へ。
少し直線区間。
これは左から来て、右へ180度ターンですが、その直後に右に急カーブという、走り屋さん垂涎の道筋。
右から左へ。 しばらくは切り返し写真の連続です。
切り返しが終わって、緩やかに右カーブ。写真左手に古いピンクテープ。これは尾根に入った所から赤井川の麓付近まで点々と続いてます。
道の左側に木が多いですが、直線です。
そしてこの先が峠のピーク地点。
峠の広場を振り返る。碑か何かの人工物を期待したんですが、何もありませんでした。
赤井川が一望できました。しかしこの高低差と距離はまだ油断できません。
それでは降下開始です。
写真左側、道に細い谷間が横切って雪が凹んでいるのが分かります。この先、このような地点が頻発します。
少し崩れ気味で、仁木側よりあきらかに道幅は狭くなっています。
右カーブ。右手で斜面が落ちているので狭さを感じます。
倒木で完全に塞がれたのはここくらいかな。
そして、全体を通してここが最も肝を冷やした場面。 道が消滅?と思ったら左へ急カーブ。
その先は右へカーブ(道は左端)ですが、右が急角度で落ちていて木もないので滑ると致命的。
雪で埋まって傾斜が40度くらいあり、少しずつ踏み固めながら慎重に進みました。こういう場面ではスノーシューを外してツボ足で踏み込んだ方が、バランスを崩しても足が流れません。上から雪崩れたらどっちにしても助かりませんが。
右に急カーブした地点で上を見ると巨岩がゴロゴロ。
ここまで来ればもう大丈夫でしょう。
そして赤井川側の切り返しエリア。右から来て左へと折れます。
これも切り返し。左から右へと。
切り返しが終わると細い白樺の緩やかな斜面で、白樺は成長が早いので簡単に林ができて道が分からなくなってきます。ピンクテープも消えたので、恐らくは一度牧草地か何かに開削してしまい、その後に荒れて白樺が生えたのではと。
木はありますが、地形を見てかすかな道のラインを追います。 この時点でもう絶望的。
川を渡ってすぐ左へ折れる線形ですが、この辺は水流でできた鋭く深い谷間が多くなってきていて、それもあって道が消えたのだと思います。この先で谷の中に突入し、完全に道をロスト。
GPSを見ながら林を横切って車道を目指します。横方向に移動することで、見失った道筋とクロスしないかと思いましたが、木々の間隔が広いのでどうとでも解釈でき、全く分からず。これは車道近くの廃墟です。
車道に出ればもう終わりと思ってましたが、除雪されていない罠。ここから赤井川中心部まで1時間近くありました。
というわけで、赤井川側から入っていたら古道を見つけられなかったかもしれません。道の危険度も赤井川側が上です。踏破を試みる方は気を付けて。
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