荷物室は前後に2つあり、それに挟まれる形で日銀職員などが詰める警備室がある。荷物室の鍵は随伴の職員は持たず、出発地と到着地の日銀の本支店職員が持っている。
現存するのは小樽のこの1両のみ。
紙幣の入っていたコンテナ。貨物駅で日銀の現金輸送車と積み替える。
警備室への扉の上に監視カメラ。警備室でモニターする。
職員が随行する上で重要なのは、夜行列車に連結した長旅となるための居住性で、マニ車ができるまでは普通の貨車に乗り込んでいたため、暖房もトイレも照明も無い劣悪な環境だった。マニ車も当初は飲料水タンクや冷房が無かった。
写真の奥はもう1つの荷物室の入り口、右側は寝台や飲料水機、洗面台やトイレ。
現送という用語は日銀で今も使われているらしい。
警備室の端にあるモニター。
警備の関係上、前位側にはドアが無く、必要に応じて転車台で車両の向きを変えた。
参考文献: 「現金輸送車物語 -タブーとなったマニ34・30型-」
個人的な感想だが、48ページで1250円なので、値段ほどの読みごたえがあるかというと一般人には勧めにくい。編成・運用情報など車両マニア向けかなと。現金輸送にまつわる多数のドキュメンタリーなんかが収録されていれば読み物として面白みがあったのだろうけれども、そこは現金輸送という性格上、あまり公にできないものなのだろう。