2023-02-19

上砂川 鍋の沢の探索(後編)

前編からしばらくして、探索日は2023.2.18です。


前編のラストの遊園の看板の地点から。


その奥に行ってみましょう。A地点で行き止まり。昔の地形図ではこのまま右端の小川に沿って進んでから斜面を上がって妹ケ瀬山に登る道があったようですが、見た感じはハッキリしません。

それでは戻って、現在の道の末端である前編ラストから先へ進みます。最初だけ幅広い。


やはり荒れていて、もう車両が入れる状態ではありませんが、後半の荒廃っぷりからすると全然まだまだ。


尾根へ登っていく実線で描かれた道が分岐する地点で横を向いたもの。左がそうですが、右にも登る道が分岐しています。


川の対岸に石炭の露頭らしきものが。


道がまともに続くように思われましたが。

B地点で決定的な崩落。写真ど真ん中辺りでごっそりと。行けるかなと進んでみましたら、崩落区間の真ん中でズボッと体ごと突き抜けて上半身が何とか引っかかって止まる。地面は完全に落ちていて雪の下は空洞だったということ。慎重に何とか這い出して戻ったものの、少し戻った所で再び足が突き抜ける。
ここは川まで10m以上の落差がある急な谷で、下と行き来はできないし左も急斜面。


しばし考えた末、50mほど戻った所で木をとっかかりにして1段上がり、そこから斜面に取り付いて上に上がれたので高巻いて崩落地を回避。途中、谷間もあったのでさらに高巻く。

そして目標地点の上であるC地点から見下ろす。ここはただの地滑りか。


対岸の上には明らかに人工的な地形がある。これから向かうとする。


古道まで下りて川の方を見ると高低差はほとんどなく渡渉もできそう。写真の右上に向かって対岸の斜面を上がる廃道の痕跡があるのがお分かりだろうか。


その対岸の廃道は上に上がると道の線形がハッキリする。


これが手前の巨大切り通し空間。鍋の沢からの道は左斜面の裏手を走っている。


D地点。廃道は2つめの切り通しも回避して進む。


左手が2つめの切り通しで、池の方に進む道の分岐がある。


2つめの巨大切り通し。しかし、人工の遺構は1つも見当たらない。


切り通しの末端で唐突に途切れる。奈井江側に降りると面倒な事になるので、この辺の探索はここで終了。鍋の沢に戻って古道を進む。


E地点。この辺に斜面を上がる廃道があったので、それを使うか斜面を直登して尾根の林道に向かうのが最も安全で早い戻り方。

川との高低差がほとんど無いので崩落地点があっても致命的にはならないと思うが、先行きの怪しさを感じさせる。


昔の地形図では最後まで川に沿ってはいなくて、斜面を上がって上に抜けるようになっているが、できるものなら脱出したくて斜面の様子を見ながら進んでいても楽に上がれそうな地点や道は感じられなかった。

いま見返すと、この写真の地点なら斜面を上がれると思う。


道が中州になってしまった。


先の悪夢が蘇った地点。ここは突っ切ることができた。




最後まで気は抜けなかったが、道道114に出られた。これを見ても、この道がかなり昔に見捨てられたものだと分かる。


見るべきものもなく、リスクしかない探索でした。

上砂川 鍋の沢の探索(前編)

上砂川の裏側、宮城の沢と鍋の沢に沿って、古くから上砂川本町へと抜ける道がありました。
その南側には古い炭鉱があったのですが、鍋の沢とその炭鉱の間に、現在の地形図には開削地が描かれています。

これが炭鉱関連の何かなのか、何があるのか気になる、ついでに古道も踏破したいというわけで。




この前編では、夏場に自転車で行ける末端まで下見に行ってきた記録です。今回の冬の本探索は後編で。

舗装路の尽きた地点に碑があります。






右に少しガレた急角度の分岐がありますが林業作業道でしょう。


手前にガードレールと、対岸の際の左右に土管が。

直方体になっているので岩ではなく構築物。護岸か橋か。




道が整っているのはこの辺まで。電柱もここから細いものとなり、少し先で途絶える。

現在の地形図で点線道に変わる地点の左手に何かの遺構が。


左側の縦書きが「児童遊園」、真ん中下の横書きが「オープンスペース」。長方形の30区画が5つ並んでいるので、キャンプ場の跡だろうか。

ここから地形図の点線道で、地面が少し緩くて自転車に乗ったまま進めないのもあって、これにて撤収。この地点まで真新しい車の轍があるのが驚きますが、この古道の本領はまだまだこんなものではない。

後編に続く。