2020-02-06

小樽 朝里川温泉の裏山の遺構

元々は違う目的で行ったのですが、意外にアプローチが難しいことが分かり、それならこの辺に何かありそうな”カン”がするから一帯を調べて帰ろう、という感じで斜面に入っていきました。

この辺は斜面の傾斜が割とキツく、取り付くルートを定めるのに行ったり来たり。鹿道に沿って斜面を進むと電線が見え、電線があるということはその資材を運んだルートがあるハズだ、と。
まず電柱を発見。木製の昔の電柱です。

で、これをどこから運び込んだ?とよく見まわすと10m上方に平場が見えたので上がり、古道を発見。幅は普通車1台ピッタリというくらいで現代の林道よりは狭い。写真右上には電線が写ってます。

まずはこの先がどうなっているかと進んでみますと。橋? コンクリがあってそこで道が終わっています。

嫌な予感がして接近して足を踏み入れずに望遠で撮る 。

鹿の足跡はこの下側を巻いていたので、それにならって下に回ってみますと。
右下の丸いのは直径50cmくらいの鉄製のパイプで、中には土砂が少々。この下の地形に谷沢形のものはないので、出水するものではない。

向こう側まで回って横から撮りました。山から生えているコンクリート、そして真ん中で切れてますから、これは坑口にコンクリをかぶせて密閉した跡ではないかと。

道の反対側がどこに出るのか詰めてみます。

U字型の溝のような地形になっているのは、長い年月で雨水に削られたせいではないかと。

ここで道が終わりました。この先はスキー場のゲレンデのようで、ゲレンデ造成時に道が断たれ隠されたのでしょう。

古道の上方に岩塊が見えたので、少し上がってその辺を調べます。

この辺まで来るとなかなか斜度がキツい。この左の氷瀑を撮ってみるかと思いましたが。

少しリスキーなのと無理に接近するメリットがなさそうなので、望遠で撮れるくらいまでの接近。

戻るときに少し横の方を調べましたら、最上部の電柱を発見。電柱の電線がワイヤーになって写真左の木に巻き付けてあるので、最上部が確定です。 電柱は写真右に真横に倒れているもの。

帰りにもう1本、最下部の電柱も発見。電線は温泉街まで伸びずにワイヤーが地中に潜ってました。

今回の遺構は、谷沢のできてない地形的に排水口の可能性は低く、周囲に孤立した電柱と電線が残っていたことから何らかの産業があったか、あるいは稼行しようとして頓挫したか、という事ではないかと思います。温泉街のすぐ裏に、意外なものが残っておりました。

なお、人里に近い立地とはいえ、道の無い山中踏破の経験がない人はやめた方がいいです。私でもなかなかキツかったので。